とらちゃん [とら]
10数年前、1F和室でガラス越しに外を見ていたにゃんさんの前に突然現れた若い野良ちゃん、にゃんはパニックになり数日間押入に籠城した事件が有りました。
妻も娘も手が付けられない状態、そんな原因を作った若い野良ちゃんがのちにとらと命名されるにゃんこでした。
僕も近所で見かけたことはありますがそこは野良ちゃん、人影を見ると逃げてしまうそんなことが日常でした。
そんな日常が日常ではなくなったのが真夏の暑い日の午後、日も陰り植木に水を上げようとバケツに水を入れ置いておいた所、その水をとらちゃんが飲みに来たのです。
それから妻は水を入れたバケツを置くようになり、とらちゃんも飲みに来るようになりました。
その後にゃんさんが食べなくなった餌や試供品の餌を置くようになり、徐々にとらちゃんも食べにくる機会が増えていきました。
そして冬を前にダンボールハウス(妻の力作…)を玄関横の横に置きましたがそこは野良ちゃん、警戒してなかなか入ってはくれずそれでもやっと入ってくれた時は妻から喜びのメールが来ました。
それでも警戒心の強いとらちゃん、餌は食べますが食べ終わるとダンボールハウスか物置の下に潜りこっちをジ~とみている状態でした。
困ったのはほかの野良ちゃんとのけんか、フギャァァととらちゃんの声を聴けば夜中でも明け方でもとらちゃんを守るために飛び出して行く僕と妻…そんな事も多かったです。
ある日とらちゃんの食事時に仕事から帰って来ると妻の足にスリスリするとらちゃん…、それから間も無くして僕にもスリスリするようになりました。
それはとらちゃんが野良ではなくなった瞬間だったと思います。
宅配便のお兄さんにもスリスリ、娘の彼氏君が初めて我が家にやってきたときもスリスリと警戒心が無くなったようでした。
しかし今年になって餌は食べますがだんだん痩せていったとらちゃん、今月18日に妻が餌を上げに行ったところダンボールハウスの中でグッタリしていました。
タオルに包み家の中へ、初めて入った暖かい部屋の中でその日の夕方妻に看取られて旅立ってしまいました。
野良ちゃんは最後どこかに行ってしまうと聞いていたのですが、最後は家で迎えることが出来ました。
次の日ルナ達がお世話になった動物霊園でお世話になったのですが、お別れはやっぱり辛い…。
短い間でしたが楽しかったです、とらちゃんありがとう。